子どもの貧困―日本の不公平を考える

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4004311578子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)
阿部 彩
岩波書店 2008-11

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新聞の書評で気になったので借りてみました。

著者は貧困研究者であって現場で働いている人ではないので、個々のケースについては4章でアンケートの記述回答が掲載されているくらいで、あとはとにかくデータです。
日本国内のデータ、他国のデータ、それとの比較。

見えてくるのは格差という言葉では片づけられない貧困が日本にも存在するということ。
それも高齢者の独居世帯などではなく、現役である子育て世代に。
そしていかに日本の貧困対策が遅れているかということ。

日本では親の世代だとまだ戦後で皆が貧しい中で育っていたり、質素を良しとする考え方もあり、貧困と言われて思い浮かべるのは「食べるものがなく死んでいくアフリカの子供たち」だったりしますが、それとは違う「相対的貧困」という考え方が紹介されてます。
以前に新聞で日本はOECD加盟国の中ではアメリカに次いで貧困の子供が多い、というデータが紹介されていましたが、これはこの相対的貧困という考え方によるものです。

もうね、とにかく驚きの事実がたくさんありすぎて何から書いていいか分からないくらい。
少子化対策というなら、この本で上げられたいろんな問題を解決したらいいんじゃないかなぁ、そしたら少子化も一緒に解決されると思う。
やっぱり親としては自分の子供を例え相対的なものであっても「貧困」の中で育てたくはないと思うので。

特に個人的に腹が立ったのは、両親の揃った家庭については少子化対策の側面からもワーク・ライフ・バランスなどと親の勤務時間を減らす方向に指導しつつ、元々気にかけてくれる親が一人しかいない一人親家庭には自立自立と言いたて、補助を削り続けていること。自分のことになりますが、幼い頃に父が病気で急逝し、今まではずっと家に居てくれた母が働き始めました。とはいえ、9時5時の職場で残業も少なく、比較的恵まれた状況だったと思うんですが、それでも子供にとっては父が亡くなり母も家を空けることが増え、結構しんどかったことを覚えています。なのに、今の状況だと母子家庭の母親は昼も夜も働いて、それでも子供が私立高校に行くことは経済的に難しかったりする…。これは明らかに間違っていますよ。

筆者は社会全体の貧困を研究している方だそうなので、次は子ども以外についても書いた本を読みたいな。

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